芦屋、 西宮文学散歩
モダンと古風、 洋と和がミックスした阪神間は意外に文学の宝庫なのである。 谷崎潤一郎、 井上靖、 宮本輝、 村上春樹、 遠藤周作と阪神間を舞台に描かれた作品は多い。 今日は阪神間の文学散歩をしましょう。
先ず何と言っても、 谷崎潤一郎だ。 阪急電鉄、 岡本駅近くの旧宅は現在無い。 芦屋市の松の内町に再建される見通しで、 洋、 和、 華三折衷の建物であったが阪神大震災で崩壊したのが残念である。 芦屋市伊勢町に芦屋市立記念館がある。
阪急電鉄、 芦屋川駅近くに「重信医院」がある。 「細雪」の四姉妹の主治医、 櫛田医師のモデル。 三角屋根のモダンな洋館で、 物語の時代を彷彿する。
二番目に挙げられるのはやはり大正初期のホトトギス派俳人「高浜虚子」でしょう。 その記念館が芦屋浜近くに建てられている。 正岡子規亡き後のホトトギス派の中心人物としての活躍は子規以上のものがあるという。 俳人達が詠んだ俳句が壁の埋め込みにずらりと並べられて、 俳句記念館らしい雰囲気を漂わせている。
遠藤周作は夙川カトリック教会で10才の時に洗礼を受けたという。 「黄色い人」など、 カトリック作家としての遠藤文学の原点とされている。
芦屋市岩園町にある「いかりスーパー」は、 平中悠一の「シーズ・レイン」の映画版でヒロインの神戸女学院生が買い物に来る場面に再三登場したらしい。 今もスーパーの正面には大きな「錨」が飾ってある。
足を少し東に向けて、 西宮市平松町に行くと、 マンボウの「ミニトンネル」がJRの高架下に現存している。 周辺の住民の貴重な生活道路だ。
高さがかなり低く現代の背の高い人には頭上が気になる。 この時代日本人は本当に身長が低かったのか?
阪神香櫨園駅周辺では宮本輝の「錦繡」で、 ヒロイン亜紀がこの香櫨園駅をよく利用した。 駅近くにモーツアルトのレコードを聴かせる喫茶店「モーツアルト」があるとされ、 探しに来る人もいるらしいが実在しない。 また、 井上靖の「明日来る人」には香櫨園在住の実業家が主役で、 夙川沿いが登場している。
上記以外に、 小説家では野坂昭如の「火垂の墓」、 香櫨園浜近くの回生病院ヶ登場する。 村上春樹は香櫨園小学校、 精道中学卒らしい。 画家では大石輝一、 阪急沿線、 夙川に「カーサ・ラ・パボーニ」という名の喫茶店(ラウンジ)を奥さんと経営。 山下清が居候したり、 夙川育ちの小松左京なども良く訪れたらしい。 まだ現存するのか不明。 何方かご存知でしたら教えて下さい。 詩人では富田砕花も芦屋に関係がある。
真に多士済々である。 皆さんも阪神間の文学に認識を新たにされたのでは? この内容は阪神シニアカレッジでの夙川学院教授、 河内厚郎氏の講座で受講したものを一部借用しました。
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